睡眠のしくみ
数日の寝不足で、血糖値を処理する力が3割落ちる
睡眠を4時間に削るとわずか6日で、血糖値を下げる体の力が30〜40%も低下することが実験で示されています。日本人は欧米人より少ないインスリンしか出せない体質で、睡眠不足の血糖ダメージを受けやすい。論文と反証から解説します。
寝る直前の食事は、寝つきを悪くします。脂質や糖質を多くとってから眠ると、寝つくまでの時間が延びることが実験で示されています。日本人女性約2万人の研究では、遅い夕食や夜食は太りやすさと関連しました。寝る前の食事と眠りの関係を、論文と反証から解説します。
寝る直前の食事は、寝つきを悪くします。脂質や糖質を多くとってから眠ると、寝つくまでの時間が延びることが実験で示されています[1]。さらに日本人女性約2万人の研究では、遅い夕食や夜食が太りやすさと関連しました[2]。
「寝る前のドカ食い」は、眠りと体型の両方に効いてきます。
眠るとき、体は深部体温を下げて休息モードに入ります。ところが食事をすると消化のために内臓が働き、体温と代謝が上がります。
これが、眠りに入るブレーキになります。とくに脂質や糖質の多い食事は消化に時間がかかり、寝つきを妨げます[1]。
寝る直前に食べると、布団に入っても体が「活動モード」のままなのです。
夜遅い食事は、体型にも影響します。日本人女性約2万人を調べたOkadaらの研究を見てみます[2]。
同じ量でも、食べる時間が遅いほど太りやすくなります。
ただし、よく言われる「夜遅く食べると血糖が悪化する」は、慎重に見る必要があります。反証として日本人の研究を挙げます。
つまり、寝る前の食事で確かなのは寝つきの悪化と太りやすさで、長期の血糖への影響は人によるということです。
ダイエットの観点で夜食と体重の関係を詳しく知りたい方は、姉妹サイト diet-app.jp もあわせてどうぞ:夜10時以降に食べると脂肪がつく|体内時計と脂肪蓄積の関係
各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。
結果就寝前に脂質や糖質を多くとった人ほど、寝つくまでの時間(入眠潜時)が長かった。寝る前のまとまった食事は、寝つきを悪くする方向に働く。
反証観察研究で因果は限定的。食事の内容や量、個人差の影響もあり、少量の軽食まで同じとは言えない。
doi:10.5664/jcsm.1476 ↗結果日本人女性で、遅い夕食をとる人は太りすぎのリスクが1.43倍、寝る前の夜食をとる人は1.47倍だった。朝食抜きが重なるとさらに高まった。
反証横断研究で因果は示せない。遅い夕食をとる人は不規則な生活など他の要因も抱えている可能性がある。
doi:10.1155/2019/2439571 ↗結果夕食から就寝まで2時間未満でも、3年後の血糖指標(HbA1c)に明確な悪化は見られなかった。血糖への影響は喫煙・飲酒・肥満の方が大きかった。
反証対象は糖尿病でない人で、もともと血糖が安定した集団。重い糖代謝異常のある人には当てはまらない可能性がある。
doi:10.1136/bmjnph-2018-000011 ↗寝る前に食べると太りますか?
太りやすくなります。日本人女性約2万人の研究で、遅い夕食をとる人は太りすぎのリスクが1.43倍、寝る前の夜食をとる人は1.47倍でした。夜は活動量が減り、エネルギーが余りやすいためです。
寝る何時間前までに食べ終えればいいですか?
就寝の2〜3時間前までが目安です。寝る直前に脂質や糖質をとると寝つきが悪くなることが実験で示されています。胃の中が落ち着いてから眠ると、眠りが安定します。
お腹が空いて眠れないときはどうすればいいですか?
少量の軽いものなら問題ありません。空腹が強いと眠りも妨げられます。脂っこいものや甘いもの、量の多い食事は避け、温かい飲み物や少量のたんぱく質などで空腹を和らげてください。