眠りの習慣
眠る90分前にお湯につかると、寝つきが10分早くなる
就寝1〜2時間前に40〜42℃のお湯につかると、寝つきが平均で約10分早くなることがメタ解析で示されています。湯船に入る文化を持つ日本人にとって、入浴は最も身近な睡眠改善法です。反証も含めて解説します。
快眠に最適な寝室の温度は20〜25度です。これを超えると睡眠効率は5〜10%低下し、深い眠り(徐波睡眠)とレム睡眠が削られます。高齢者の約11,000夜のデータと、日本の研究者による総説をもとに、夏も冬も眠りを守る室温を解説します。
快眠に最適な寝室の温度は20〜25度です。高齢者約50人の家庭を約11,000人夜にわたって計測した研究では、この範囲で睡眠効率が最も高く、室温が25度から30度へ上がると効率が5〜10%低下しました[1]。暑い夜は「寝苦しい」だけでなく、深い眠りそのものが削られています[2]。
寝室の温度は、寝具やスマホよりも先に見直す価値があります。
人は眠るとき、体の中心の温度(深部体温)を下げます。手足の血管が開いて熱を外へ逃がし、深部体温が下がるのが「眠くなる」サインです。
寝室が暑いと、この放熱がうまくいきません。熱がこもったまま眠りに入るため、深い眠りまで落ちきれないのです。
「眠りが浅い気がする」夏の夜は、気合いの問題ではなく、放熱できていないサインです。
数字で示したのが、ハーバード関連施設のBaniassadiらの研究です。高齢者の自宅にセンサーを置き、約11,000人夜分の睡眠と室温を記録しました[1]。
つまり、20〜25度を超え始めたあたりから、眠りは静かにコストを払い始めます。
ここで効いてくるのが湿度です。日本の研究者であるOkamoto-Mizunoらの総説は、高温に湿度が加わると、汗が蒸発せず放熱できないため、睡眠への悪影響が一段と強まると指摘しています[2]。
同じ28度でも、カラッとした地域と蒸し暑い日本では、眠りへのダメージが違います。日本では除湿が、温度設定と同じくらい効きます。
断定の前に、反証も見ておきます。
それでも方向性は明確です。25度を超える蒸し暑い寝室は、眠りの質を確実に削ります。
各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。
結果睡眠効率が最も高かったのは寝室の室温が20〜25度のとき。室温が25度から30度に上がると、睡眠効率が5〜10%低下した。
反証観察研究で因果は断定できない。最適温度には大きな個人差があり、対象は高齢者のため若年層にそのまま当てはまるとは限らない。
doi:10.1016/j.scitotenv.2023.165623 ↗結果暑い環境は深い眠り(徐波睡眠)とレム睡眠を減らし、夜中の覚醒を増やす。とくに高温多湿では寝具で体温を逃がせず、影響が強く出る。
反証寒すぎる環境も代謝を上げて眠りを乱す。寝具・寝衣の量で体感温度は変わるため、室温の数字だけで最適は決まらない。
doi:10.1186/1880-6805-31-14 ↗寝室は何度にすればよく眠れますか?
20〜25度が目安です。高齢者約50人の在宅データでは、室温が20〜25度のときに睡眠効率が最も高く、25度を超えると効率が落ち始めました。湿度が高い日本の夏は、これより少し低めが快適に感じられます。
暑いと眠りはどう悪くなりますか?
深い眠り(徐波睡眠)とレム睡眠が減り、夜中に目が覚めやすくなります。眠るときは体の中心の温度(深部体温)を下げる必要があり、暑いとその放熱が妨げられるためです。
エアコンは一晩中つけっぱなしでいいですか?
つけっぱなしで問題ありません。タイマーで途中に切れると、室温が上がった後半に眠りが浅くなり、夜中の覚醒が増えます。25〜27度前後で朝までつけておく方が、眠りは安定します。