夜の寝室と、温度計が25度を指すイラスト
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寝室の温度が25度を超えると、眠りの効率は落ち始める

快眠に最適な寝室の温度は20〜25度です。これを超えると睡眠効率は5〜10%低下し、深い眠り(徐波睡眠)とレム睡眠が削られます。高齢者の約11,000夜のデータと、日本の研究者による総説をもとに、夏も冬も眠りを守る室温を解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

快眠に最適な寝室の温度は20〜25度です。高齢者約50人の家庭を約11,000人夜にわたって計測した研究では、この範囲で睡眠効率が最も高く、室温が25度から30度へ上がると効率が5〜10%低下しました[1]。暑い夜は「寝苦しい」だけでなく、深い眠りそのものが削られています[2]

寝室の温度は、寝具やスマホよりも先に見直す価値があります。

なぜ暑いと眠りが浅くなるのか

人は眠るとき、体の中心の温度(深部体温)を下げます。手足の血管が開いて熱を外へ逃がし、深部体温が下がるのが「眠くなる」サインです。

寝室が暑いと、この放熱がうまくいきません。熱がこもったまま眠りに入るため、深い眠りまで落ちきれないのです。

「眠りが浅い気がする」夏の夜は、気合いの問題ではなく、放熱できていないサインです。

寝室は何度がベストなのか

数字で示したのが、ハーバード関連施設のBaniassadiらの研究です。高齢者の自宅にセンサーを置き、約11,000人夜分の睡眠と室温を記録しました[1]

つまり、20〜25度を超え始めたあたりから、眠りは静かにコストを払い始めます。

日本の夏は、なぜとくに危ないのか

ここで効いてくるのが湿度です。日本の研究者であるOkamoto-Mizunoらの総説は、高温に湿度が加わると、汗が蒸発せず放熱できないため、睡眠への悪影響が一段と強まると指摘しています[2]

同じ28度でも、カラッとした地域と蒸し暑い日本では、眠りへのダメージが違います。日本では除湿が、温度設定と同じくらい効きます。

この話の限界

断定の前に、反証も見ておきます。

それでも方向性は明確です。25度を超える蒸し暑い寝室は、眠りの質を確実に削ります。

今夜から眠りを守る室温の作り方

この記事のまとめ

  • 快眠に最適な寝室の室温は20〜25度。25度を超えると睡眠効率が落ち始める
  • 室温が25度から30度に上がると睡眠効率が5〜10%低下した(高齢者・約11,000人夜)
  • 暑いと深部体温を下げる放熱が妨げられ、徐波睡眠とレム睡眠が減る
  • 日本の蒸し暑い夏は湿度で放熱できず、影響が強まる。除湿が効く
  • 夏はエアコンを25〜27度で朝までつけっぱなしにする方が眠りは安定する

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Baniassadi A, Manor B, Yu W, Travison T, Lipsitz L (2023). Nighttime ambient temperature and sleep in community-dwelling older adults. Science of the Total Environment.欧米対象 在宅観察研究 / 高齢者50人・約11,000人夜

    結果睡眠効率が最も高かったのは寝室の室温が20〜25度のとき。室温が25度から30度に上がると、睡眠効率が5〜10%低下した。

    反証観察研究で因果は断定できない。最適温度には大きな個人差があり、対象は高齢者のため若年層にそのまま当てはまるとは限らない。

    doi:10.1016/j.scitotenv.2023.165623
  2. [2]Okamoto-Mizuno K, Mizuno K (2012). Effects of thermal environment on sleep and circadian rhythm. Journal of Physiological Anthropology.総説・メタ解析 総説(実験研究のレビュー)

    結果暑い環境は深い眠り(徐波睡眠)とレム睡眠を減らし、夜中の覚醒を増やす。とくに高温多湿では寝具で体温を逃がせず、影響が強く出る。

    反証寒すぎる環境も代謝を上げて眠りを乱す。寝具・寝衣の量で体感温度は変わるため、室温の数字だけで最適は決まらない。

    doi:10.1186/1880-6805-31-14

よくある質問

寝室は何度にすればよく眠れますか?

20〜25度が目安です。高齢者約50人の在宅データでは、室温が20〜25度のときに睡眠効率が最も高く、25度を超えると効率が落ち始めました。湿度が高い日本の夏は、これより少し低めが快適に感じられます。

暑いと眠りはどう悪くなりますか?

深い眠り(徐波睡眠)とレム睡眠が減り、夜中に目が覚めやすくなります。眠るときは体の中心の温度(深部体温)を下げる必要があり、暑いとその放熱が妨げられるためです。

エアコンは一晩中つけっぱなしでいいですか?

つけっぱなしで問題ありません。タイマーで途中に切れると、室温が上がった後半に眠りが浅くなり、夜中の覚醒が増えます。25〜27度前後で朝までつけておく方が、眠りは安定します。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。