夜空と、目もとを象徴的に描いたイラスト
MYTH OR FACT

目の下のクマは寝不足のせい、は半分しか当たっていない

寝不足の翌日に目の下が暗くなるのは本当で、実験でも確認されています。けれど消えない慢性的なクマの多くは、寝不足ではなく生まれつきの色素沈着や骨格が原因。アジア人に多い体質でもあります。論文と反証から検証します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

目の下のクマは寝不足のせい——これは半分だけ正しい話です。寝不足の翌日に目もとが暗くなるのは本当で、実験でも確認されています[1]。けれど、よく寝ても消えない慢性的なクマの多くは、寝不足ではなく生まれつきの色素沈着や骨格が原因です[3]

「寝ればクマは消える」と思って眠っても消えないなら、それは別物かもしれません。

寝不足は本当に顔を変えるのか

まず、短期の寝不足が見た目を変えるのは事実です。スウェーデンの研究チームは、同じ人物の「よく眠った後」と「断眠後」の顔写真を、第三者に評価させました[1]

寝不足で目もとが暗くなるのは、血流の滞りやむくみ、肌の血色低下によるものです。これは一晩眠れば薄くなる「一時的なクマ」です。

では、消えないクマの正体は

問題は、よく寝ても消えないクマです。皮膚科の研究によると、慢性的な目の下のクマ(目周りの色素沈着)の主な原因は、睡眠ではありません[3]

つまり「体質型のクマ」は、いくら寝ても変わりません。睡眠不足を責めても解決しないのです。

賛否を整理すると

自分のクマを見分ける

この記事のまとめ

  • 寝不足の翌日に目もとが暗くなるのは本当(実験で確認)
  • ただしそれは一晩眠れば薄くなる『一時的なクマ』
  • よく寝ても消えない慢性的なクマの多くは色素沈着・骨格・遺伝が原因
  • メラニンの多いアジア系の肌は体質的にクマが出やすく、睡眠では消えにくい
  • 翌朝薄くなるなら寝不足型、変わらないなら体質型。後者は皮膚科へ

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Sundelin T, Lekander M, Kecklund G, et al. (2013). Cues of fatigue: effects of sleep deprivation on facial appearance. Sleep.欧米対象 実験 / 同一人物の通常睡眠時と断眠後の顔を比較評価

    結果睡眠を奪われた顔は、目の下のクマが濃く・まぶたが垂れ・肌が青白く・疲れて見えると評価された。短期の寝不足は確かに目もとを暗くする。

    反証31時間の断眠という強い条件での評価で、見た目は主観的な印象に左右される。慢性的なクマの原因を説明するものではない。

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  2. [2]Axelsson J, Sundelin T, Ingre M, et al. (2010). Beauty sleep: experimental study on the perceived health and attractiveness of sleep-deprived people. BMJ.欧米対象 実験 / 睡眠十分時と寝不足時の顔写真の印象評価

    結果寝不足の顔は、健康度・魅力の評価が下がった。「美容のための睡眠(beauty sleep)」に実験的な裏づけを与えた。

    反証短期の寝不足の印象を見た研究で、評価者の主観に基づく。クマそのものの色素を測ったわけではない。

    doi:10.1136/bmj.c6614
  3. [3]Sheth PB, et al. (2014). Periorbital hyperpigmentation: a study of its prevalence, common causative factors and its association with personal habits and other disorders. Indian Journal of Dermatology.総説・メタ解析 皮膚科の臨床研究

    結果慢性的な目の下のクマ(目周りの色素沈着)は、遺伝・体質・メラニン色素・炎症後の色素沈着・貧血など多くの要因による。家族内に多く、思春期以降に現れやすい。

    反証集団や評価方法によって有病率や原因の比重は変わる。睡眠の影響を否定するものではない。

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よくある質問

寝不足で目の下にクマはできますか?

短期的にはできます。実験でも、断眠後の顔は目の下が濃く・肌が青白く見えると評価されました。ただし一晩よく眠れば薄くなる「一時的なクマ」です。

よく寝てもクマが消えません。なぜですか?

消えない慢性的なクマの多くは、寝不足ではなく生まれつきの色素沈着や骨格、皮膚の薄さが原因です。これは睡眠では変わりません。アジア人にも多い体質です。

自分のクマが「寝不足型」か「体質型」か見分けられますか?

目安として、十分眠った翌朝に薄くなるなら寝不足型、よく寝ても変わらず家族にも同じクマがあるなら体質型(色素沈着)の可能性が高いです。体質型は睡眠改善では消えにくく、皮膚科での相談が向きます。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記3本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。