夜遅くまで灯る勉強机のスタンドと夜空のイラスト
JAPAN FOCUS

日本の中高生の4人に1人が、夜きちんと眠れていない

日本の中高生10万人を調べた調査では、4人に1人(23.5%)が不眠の症状を抱えていました。世界一眠らない国の問題は、大人ではなく子どもから始まっています。原因と反証を論文から解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

日本の眠れない問題は、大人ではなく子どもから始まっています。中高生10万人を調べた全国調査では、4人に1人にあたる23.5%が不眠の症状を抱えていました[1]。世界一眠らない国の入り口は、思春期にあります。

「若いんだから少しくらい寝なくても大丈夫」は、データの上では通用しません。

日本の中高生はどれくらい眠れていないのか

日本大学などのグループが、全国の中学・高校生102,451人を対象に行った大規模調査があります[1]。その結果は、子どもの睡眠の深刻さを示すものでした。

不眠は大人の病気というイメージがありますが、日本では中高生の段階ですでに広がっているのです。

なぜ日本の若者は眠れないのか

背景には、日本特有の事情が重なっています。塾や部活動による遅い就寝、消灯後のスマートフォン、そして朝の早い通学。これらが睡眠時間を削ります。

そもそも日本人全体が世界で最も眠らない集団のひとつです。OECDの国際比較では、日本人の平均睡眠時間は約7時間22分で最短クラスでした[2]。大人の夜型の生活が、そのまま子どもにも引き継がれています。

消灯後のスマホが日本の中高生の不眠と結びついていることは、別の調査でも示されています。

この数字はどこまで信じてよいか

ただし、解釈には注意が必要です。

それでも「4人に1人」という規模は、個人の問題では片づけられません。

家庭でできること

この記事のまとめ

  • 日本の中高生10万人調査で、23.5%(約4人に1人)が不眠の症状を持っていた
  • 内訳は寝つけない14.8%・夜中に目覚める11.3%・早朝覚醒5.5%
  • 塾・部活・消灯後のスマホ・早い通学が睡眠を削っている
  • 日本人は大人も世界最短クラスで、夜型の生活が子どもに引き継がれている
  • ただし横断調査で因果は不明。それでも『4人に1人』は社会の問題

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Kaneita Y, Ohida T, Osaki Y, Tanihata T, Minowa M, Suzuki K, Wada K, Kanda H, Hayashi K (2006). Insomnia among Japanese adolescents: a nationwide representative survey. Sleep.日本人対象 全国代表サンプル / 日本人の中高生102,451人

    結果日本の中高生の23.5%が不眠の症状を持っていた。内訳は寝つけない14.8%、夜中に目覚める11.3%、早朝に目覚める5.5%。

    反証横断調査で自己申告のため、不眠の定義や程度に幅がある。因果(何が不眠を生むか)までは特定できない。

    原典を読む
  2. [2]OECD (2021). Gender Data Portal: Time use across the world(睡眠時間の国際比較). OECD.総説・メタ解析 国際比較 / 加盟国の生活時間調査

    結果日本人の平均睡眠時間は約7時間22分で調査国の中で最短クラス。短時間睡眠は大人だけでなく子ども・若者にも及ぶ。

    反証各国で調査方法・対象年齢が異なり単純比較には限界がある。子どもの数値は国により把握度が異なる。

よくある質問

日本の中高生の不眠はどれくらい多いですか?

10万人規模の全国調査では、中高生の23.5%が不眠の症状(寝つけない・夜中に目覚める・早朝に目覚めるのいずれか)を持っていました。およそ4人に1人にあたります。

なぜ日本の子どもは眠れないのですか?

塾や部活で就寝が遅くなること、消灯後のスマホ、朝が早い通学時間などが重なります。日本は大人も世界最短クラスの睡眠で、夜型の生活が子どもにも引き継がれています。

子どもの睡眠を守るために家庭でできることは?

就寝1時間前にスマホを手放す、寝室に持ち込まない、起床時刻を一定にすることが基本です。週末の寝坊で平日の不足は完全には取り戻せないため、平日の就寝を少し早めるのが有効です。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。