アイマスクをつけて静かに眠る人と、さえぎられた光を表したイラスト
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アイマスクをして寝ただけで、翌日の記憶力と集中力が上がった

アイマスクで光をさえぎって眠ると、翌日の記憶力と注意力が上がった研究があります。寝室をより暗くすることで深い眠りが増え、脳の働きが高まると考えられます。ただし反論もあります。アイマスク睡眠の効果と限界を、論文と反証から解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

アイマスクで光をさえぎって眠るだけで、翌日の記憶力と集中力が上がった——そんな研究があります[1]。お金も手間もかからず、今夜から試せる方法です。寝室を暗くすると深い眠りが増え、それが脳の働きを高めると考えられています。

ただし、この結果には反論も出ています。期待と限界の両方を見ておきましょう。

アイマスクで何が変わるのか

最もよく知られているのが、Grecoらの2023年の研究です[1]

ポイントは、特別な機器ではなく、ただの遮光アイマスクで差が出たことです。光を断つことが、眠りの質に効いている可能性を示しています。

なぜ光をさえぎると良いのか

カギは「寝るときの光」です。東アジアでの研究が、その影響を示しています[3]

つまりアイマスクは、まぶたを通して入るわずかな光まで断ち、深い眠りを守る道具だと考えられます。

この効果は確かなのか

一方で、強い反論も同じ誌上に出ています[2]

効果の大きさには慎重さが必要です。それでも、副作用がなく安価で、合わなければやめればよい。試す価値のある方法です。

アイマスク睡眠を上手に使うには

この記事のまとめ

  • アイマスクで光をさえぎって寝ると、翌日の記憶力と注意力が上がった(Greco et al., 2023)
  • 効果は深い眠り(徐波睡眠)の長さと結びついていた
  • わずかな光でも睡眠は浅くなる。暗さは深い眠りを守る(Cho et al., 2013)
  • ただし『効果は明確でも一貫でもない』とする再解析もあり、差の大きさは議論中
  • 副作用なく安価。合わなければやめればよいので、1週間試す価値はある

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Greco V, Bergman D, Cuoccio P, Konkoly KR, Lombardo KM, Lewis PA (2023). Wearing an eye mask during overnight sleep improves episodic learning and alertness. Sleep.欧米対象 介入実験(クロスオーバー)/ 18〜35歳 実験1=94人, 実験2=35人

    結果1週間アイマスクをつけて寝た人は、光をさえぎらなかった週より、翌日の単語の記憶(エピソード記憶)と注意力(反応速度)が上がった。効果は深い眠り(徐波睡眠)の長さと結びついていた。

    反証同じ誌上で「効果は明確でも一貫でもない」とする再解析(Rhodes, 2023)が出ており、日常生活で意味のある差かは議論が続く。

    doi:10.1093/sleep/zsac305
  2. [2]Rhodes S (2023). No clear or consistent evidence that wearing an eye mask leads to meaningful improvement in learning and alertness: a reanalysis of Greco et al. (2023). Sleep.総説・メタ解析 元データの再解析

    結果Grecoらのデータを解析し直すと、アイマスクの効果は明確でも一貫してもいなかった。日常で意味のある改善とは言いきれない。

    反証あくまで再解析で、新しい実験ではない。光をさえぎる効果自体を否定したわけではない。

    doi:10.1093/sleep/zsad105
  3. [3]Cho JR, Joo EY, Koo DL, Hong SB (2013). Let there be no light: the effect of bedside light on sleep quality and background electroencephalographic rhythms. Sleep Medicine.東アジア対象 実験 / 健康成人を明るい寝室と暗い寝室で比較(韓国)

    結果寝室を明るくして眠ると、浅い睡眠が増え、深い睡眠や脳波の安定が損なわれた。寝るときの光は、わずかでも睡眠の質を下げる。

    反証室内灯を点けた条件での比較で、アイマスクそのものを調べたわけではない。対象も少人数。

    doi:10.1016/j.sleep.2013.06.022

よくある質問

アイマスクで睡眠の質は上がりますか?

上がる可能性があります。アイマスクで光をさえぎって眠ると、翌日の記憶力と注意力が上がった研究があります。寝室を暗くすると深い眠りが増えるためと考えられます。ただし効果には反論もあります。

なぜ光をさえぎると良いのですか?

わずかな光でも睡眠は浅くなります。寝室を明るくすると深い眠りが減り、脳波が乱れたという研究があります。アイマスクや遮光カーテンで光を断つと、深い眠りを保ちやすくなります。

どんなアイマスクを選べばいいですか?

目や鼻を強く圧迫せず、しっかり光をさえぎれるものが基本です。寝返りでずれにくい形を選びます。まずは手持ちのものや遮光カーテンで試し、合うかどうかを確かめてからで十分です。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記3本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。