眠れず布団から出て、別の部屋でくつろぐ人のイラスト
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眠れない夜は、布団で粘らず一度起きたほうが早く眠れる

眠れないとき布団で粘るほど、脳は「ベッド=眠れない場所」と学習し、ますます眠れなくなります。15〜20分眠れなければ一度起きる「刺激制御療法」は、睡眠薬に頼らない不眠改善の第一選択です。日本人の5人に1人が抱える不眠への対処を、論文と反証から解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

眠れない夜は、布団で粘らず一度起きたほうが、結果的に早く眠れます。眠れないまま布団にいると、脳が「ベッド=眠れない場所」と学習し、ますます寝つけなくなるからです。15〜20分眠れなければ一度寝床を出る「刺激制御療法」は、睡眠薬に頼らない不眠改善の第一選択です[1]。日本人の約5人に1人が、この不眠を抱えています[2]

「眠らなきゃ」と布団で頑張るほど、眠りは遠のきます。

なぜ布団で粘るほど眠れなくなるのか

人の脳は、場所と状態を結びつけて学習します。ベッドで眠れた経験が多ければ「ベッド=眠る場所」になります。

ところが、眠れないまま布団で何時間も過ごすと、逆の学習が起きます。「ベッド=眠れず焦る場所」になり、横になるだけで目が冴えてしまうのです。

眠れない夜はどうすればいいのか

この悪循環を断つのが、刺激制御療法です。その効果をまとめたのがJansson-Fröjmarkらのメタ分析です[1]

やり方はシンプルです。15〜20分眠れなければ寝床を出て、暗めの部屋で静かに過ごし、眠くなったら戻る。これを繰り返します。

日本人の不眠はどれくらい多いのか

この対処が必要な人は、日本に大勢います。Kimらの調査を見てみます[2]

ありふれているからこそ、まず薬に頼らない方法を知っておく価値があります。

この話の限界

断定の前に、反証も見ておきます。

それでも、「眠れないまま粘らない」という原則は、不眠治療の中核として広く支持されています。

今夜から眠りを取り戻す方法

この記事のまとめ

  • 眠れないまま布団で粘ると、脳が『ベッド=眠れない場所』と学習する
  • 15〜20分眠れなければ一度寝床を出る『刺激制御療法』が効果的
  • 研究で不眠症状を有意に改善し、CBT-Iの中心的な方法として推奨される
  • 日本人の約5人に1人が不眠を抱える、ありふれた悩み
  • 時計は見ず、眠くなってから戻る。重い不眠は専門家のもとで

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Jansson-Fröjmark M, Nordenstam L, Alfonsson S, et al. (2024). Stimulus control for insomnia: A systematic review and meta-analysis. Journal of Sleep Research.総説・メタ解析 システマティックレビュー・メタ分析 / 11研究

    結果「眠れなければ一度寝床を出る」刺激制御療法は、何もしない対照より不眠症状を有意に改善し、他の有効な治療と同程度の効果があった。ベッドと睡眠の結びつきを取り戻す方法。

    反証含まれた研究は古いものが多く、方法に不確かさもある。単独療法として確立するにはより質の高い試験が必要とされる。

    doi:10.1111/jsr.14002
  2. [2]Kim K, Uchiyama M, Okawa M, Liu X, Ogihara R (2000). An epidemiological study of insomnia among the Japanese general population. Sleep.日本人対象 疫学調査 / 日本人一般人口3,030人

    結果日本人で不眠の訴えは全体で21.4%(約5人に1人)。とくに「寝つけない」「途中で目が覚める」型が多く、加齢とともに増えた。

    反証自己申告の調査で客観的な睡眠は測っていない。不眠の訴えの背景には多様な原因が含まれる。

    原典を読む

よくある質問

眠れないとき布団で粘るのは良くないのですか?

良くありません。眠れないまま布団にいると、脳が「ベッド=眠れない場所」と学習し、ますます寝つけなくなります。15〜20分眠れなければ一度寝床を出て、眠くなってから戻るのが効果的です。

一度起きて何をすればいいですか?

暗めの部屋で、刺激の少ない静かなことをします。読書やストレッチなどリラックスできる行動を、眠気が来るまで続けます。スマホやテレビの強い光は避けてください。眠くなったらベッドに戻ります。

この方法は本当に効くのですか?

効きます。「眠れなければ寝床を出る」刺激制御療法は、研究で不眠症状を有意に改善することが示され、睡眠薬に頼らない不眠治療(CBT-I)の中心的な方法として推奨されています。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。