眠りの習慣
午後3時のコーヒーが、その夜の眠りを削っていた
カフェインは就寝6時間前に飲んでも睡眠を1時間近く削ることが実験で示されています。さらに日本人を含む東アジア人はカフェインの効き方に遺伝的な個人差が大きい。緑茶文化の国・日本ならではの視点で解説します。
就寝前に光る画面を見ると、眠気をつくるホルモン「メラトニン」が最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れることが実験で示されています。日本人の中高生9万5千人の調査でも、消灯後のスマホは不眠と結びついていました。反証も解説します。
寝る前のスマホは、眠気のスイッチを切ってしまいます。就寝前に光る画面を見ると、眠気をつくるホルモン「メラトニン」が最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れることが実験で示されています[1]。日本の中高生9万5千人の調査でも、消灯後のスマホは不眠と結びついていました[2]。
「ベッドで少しだけ」のつもりが、眠れない原因をつくっているかもしれません。
人は暗くなるとメラトニンを分泌し、自然に眠くなります。ところが画面の光、とくに青い光は、脳に「まだ昼だ」と勘違いさせ、メラトニンの分泌を止めてしまいます。
これを精密に測ったのが、ハーバード大の研究チームによる実験です[1]。
つまりスマホは、眠気を遅らせるだけでなく、体内時計そのものを後ろにずらします。
この問題は、スマホ利用率の高い日本の若者で特に深刻です。日本の中高生9万5千人を対象にした全国調査では、消灯後の携帯電話使用が睡眠の問題と強く結びついていました[2]。
日本人の睡眠時間の短さは大人だけの問題ではなく、子どもの段階から始まっているのです。
ただし、断定の前に反証も見ておきます。
光だけが犯人ではありません。動画やSNSへの没入による興奮も、眠りを妨げます。だからこそ対策は「光を弱める」より「見ない」が確実です。
各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。
結果就寝前に光る電子書籍端末で読書すると、紙の本に比べメラトニンが約55%減り、体内時計の指標が1.5時間以上遅れ、寝つきが約10分遅く、翌朝の覚醒度も低下した。
反証参加者12人と少人数で、端末を最大輝度で使う実験条件。実生活での影響はより小さい可能性があり、内容への没入による覚醒(興奮)の影響も切り分けにくい。
doi:10.1073/pnas.1418490112 ↗結果消灯後に携帯電話を使う日本の中高生は、短い睡眠時間・主観的な睡眠の質の低下・日中の強い眠気・不眠症状と関連していた。
反証横断調査のため因果は不明。「スマホが不眠を招く」のか「眠れない子がスマホを使う」のかは区別できない。自己申告による誤差もある。
doi:10.5665/sleep.1152 ↗寝る前のスマホはなぜ良くないのですか?
画面の光が、眠気をつくるホルモン「メラトニン」の分泌を抑えるためです。実験では就寝前の光る端末でメラトニンが最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れ、寝つきが遅くなりました。
ブルーライトカット眼鏡やナイトモードで防げますか?
光量を減らせば影響は小さくなりますが、効果は限定的という研究もあります。光そのものに加え、内容への没入による興奮も眠りを妨げます。最も確実なのは就寝1時間前から画面を見ないことです。
日本の子どもはどれくらい影響を受けていますか?
日本の中高生9万5千人の調査では、消灯後に携帯を使う生徒ほど睡眠時間が短く、日中の眠気や不眠症状が多く見られました。日本の若者はスマホ利用率が高く、影響を受けやすい層です。