暗い部屋で青白く光るスマートフォンのイラスト
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寝る前のスマホで、眠気をつくるホルモンが半分に減っていた

就寝前に光る画面を見ると、眠気をつくるホルモン「メラトニン」が最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れることが実験で示されています。日本人の中高生9万5千人の調査でも、消灯後のスマホは不眠と結びついていました。反証も解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

寝る前のスマホは、眠気のスイッチを切ってしまいます。就寝前に光る画面を見ると、眠気をつくるホルモン「メラトニン」が最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れることが実験で示されています[1]。日本の中高生9万5千人の調査でも、消灯後のスマホは不眠と結びついていました[2]

「ベッドで少しだけ」のつもりが、眠れない原因をつくっているかもしれません。

なぜ画面の光が眠気を奪うのか

人は暗くなるとメラトニンを分泌し、自然に眠くなります。ところが画面の光、とくに青い光は、脳に「まだ昼だ」と勘違いさせ、メラトニンの分泌を止めてしまいます。

これを精密に測ったのが、ハーバード大の研究チームによる実験です[1]

つまりスマホは、眠気を遅らせるだけでなく、体内時計そのものを後ろにずらします。

日本の子どもたちはどうか

この問題は、スマホ利用率の高い日本の若者で特に深刻です。日本の中高生9万5千人を対象にした全国調査では、消灯後の携帯電話使用が睡眠の問題と強く結びついていました[2]

日本人の睡眠時間の短さは大人だけの問題ではなく、子どもの段階から始まっているのです。

この話、どこまで確実か

ただし、断定の前に反証も見ておきます。

光だけが犯人ではありません。動画やSNSへの没入による興奮も、眠りを妨げます。だからこそ対策は「光を弱める」より「見ない」が確実です。

今夜からできること

この記事のまとめ

  • 就寝前の光る画面はメラトニンを最大55%減らし、体内時計を1.5時間以上遅らせる
  • 結果として寝つきが遅れ、翌朝の眠気も強くなる
  • 日本の中高生9万5千人の調査でも、消灯後のスマホは不眠と関連していた
  • ただし実験は少人数・極端な条件で、横断調査は因果を示せない
  • 対策は『光を弱める』より『就寝1時間前から見ない』が確実

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Chang AM, Aeschbach D, Duffy JF, Czeisler CA (2015). Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. PNAS.欧米対象 実験室クロスオーバー試験 / 健康成人12人

    結果就寝前に光る電子書籍端末で読書すると、紙の本に比べメラトニンが約55%減り、体内時計の指標が1.5時間以上遅れ、寝つきが約10分遅く、翌朝の覚醒度も低下した。

    反証参加者12人と少人数で、端末を最大輝度で使う実験条件。実生活での影響はより小さい可能性があり、内容への没入による覚醒(興奮)の影響も切り分けにくい。

    doi:10.1073/pnas.1418490112
  2. [2]Munezawa T, Kaneita Y, Osaki Y, et al. (2011). The association between use of mobile phones after lights out and sleep disturbances among Japanese adolescents: a nationwide cross-sectional survey. Sleep.日本人対象 全国横断調査 / 日本人の中高生95,680人

    結果消灯後に携帯電話を使う日本の中高生は、短い睡眠時間・主観的な睡眠の質の低下・日中の強い眠気・不眠症状と関連していた。

    反証横断調査のため因果は不明。「スマホが不眠を招く」のか「眠れない子がスマホを使う」のかは区別できない。自己申告による誤差もある。

    doi:10.5665/sleep.1152

よくある質問

寝る前のスマホはなぜ良くないのですか?

画面の光が、眠気をつくるホルモン「メラトニン」の分泌を抑えるためです。実験では就寝前の光る端末でメラトニンが最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れ、寝つきが遅くなりました。

ブルーライトカット眼鏡やナイトモードで防げますか?

光量を減らせば影響は小さくなりますが、効果は限定的という研究もあります。光そのものに加え、内容への没入による興奮も眠りを妨げます。最も確実なのは就寝1時間前から画面を見ないことです。

日本の子どもはどれくらい影響を受けていますか?

日本の中高生9万5千人の調査では、消灯後に携帯を使う生徒ほど睡眠時間が短く、日中の眠気や不眠症状が多く見られました。日本の若者はスマホ利用率が高く、影響を受けやすい層です。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。