更年期の女性と、夜のほてりで乱れる眠りのイラスト
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更年期に眠れなくなるのは、ホルモンが急に減るから

更年期の不眠は、気の持ちようではありません。女性ホルモン(エストロゲン)が急に減り、ほてりや発汗が夜の眠りを何度も中断させます。日本人女性1,152人の研究では、ほてりのある人は夜中に目覚めるリスクが約2倍でした。更年期と睡眠の関係を、論文と反証から解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

更年期の不眠は、気の持ちようではありません。女性ホルモン(エストロゲン)が急に減り、ほてりや発汗が夜の眠りを何度も中断させます[1]。日本人女性1,152人の研究では、ほてりのある人は夜中に目覚めるリスクが約2倍でした[2]

「眠れないのは年のせい、気のせい」と我慢する必要はありません。

なぜ更年期に眠れなくなるのか

更年期には、卵巣の働きが衰え、エストロゲンが急激に減ります。このホルモンは、睡眠や体温の調整にも関わっています。

エストロゲンが減ると、体温調節が乱れ、ほてりや発汗(ホットフラッシュ)が起きます。これが夜間に出ると、眠りが何度も中断されるのです。

つまり、更年期の不眠は身体の変化が起こす現象です。

日本人女性ではどうなのか

この関係を日本人女性で示したのが、Tomidaらの研究です[2]

ほてりを抑えることが、そのまま睡眠の改善につながります。

この話の限界

断定の前に、反証も見ておきます。

それでも、ホルモンの低下とほてりが睡眠を乱す方向は一致しています。

更年期の眠りを守る方法

この記事のまとめ

  • 更年期の不眠はエストロゲンの急激な低下による身体的な現象
  • ホルモン低下がほてり・発汗を起こし、夜の眠りを何度も中断させる
  • 更年期へ進むほど、寝つき・中途覚醒・早朝覚醒の訴えが増える
  • 日本人女性で、ほてりのある人は夜中に目覚めるリスクが約2倍だった
  • 寝室を涼しく保ち、症状が重ければホルモン補充療法などを相談する

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Kravitz HM, et al. (2008). Sleep Disturbance During the Menopausal Transition in a Multi-Ethnic Community Sample of Women. Sleep.多国籍 縦断研究 / 多民族の中年女性3,045人(日本人を含む)

    結果更年期へ進むほど、寝つきの悪さ・中途覚醒・早朝覚醒の訴えが増えた。睡眠の悪化は、ほてりなどの血管運動症状と強く関連していた。

    反証睡眠は自己申告。更年期の不眠には、加齢や生活の変化など他の要因も重なる。

    原典を読む
  2. [2]Tomida M, Otsuka R, Tange C, et al. (2021). Vasomotor symptoms, sleep problems, and depressive symptoms in community-dwelling Japanese women. Journal of Obstetrics and Gynaecology Research.日本人対象 横断研究 / 日本人女性1,152人(40〜91歳)

    結果日本人女性で、ほてりのある人は夜中に目覚める不眠のリスクが約2倍(オッズ比2.07)だった。寝つきと中途覚醒の訴えは、ほてりのある人で15ポイント多かった。

    反証横断研究で因果は示せない。日本人女性はほてりの頻度が欧米より低めという報告もあり、影響の大きさには個人差がある。

    doi:10.1111/jog.14937

よくある質問

更年期に眠れなくなるのはなぜですか?

女性ホルモン(エストロゲン)が急に減るためです。エストロゲンの低下はほてりや発汗(ホットフラッシュ)を起こし、これが夜間に出ると睡眠が何度も中断されます。気の持ちようではなく、ホルモンの変化による身体的な現象です。

ほてりと不眠は関係しますか?

強く関係します。日本人女性の研究で、ほてりのある人は夜中に目覚めるリスクが約2倍でした。夜間のほてりや発汗が眠りを浅くし、目覚めの回数を増やします。ほてりの対策が睡眠の改善につながります。

更年期の不眠はどうすればいいですか?

まず寝室を涼しく保ち、夜間のほてり対策をします。症状が重い場合は、ホルモン補充療法や漢方など医療機関で相談できます。眠れないまま布団で粘らない、規則正しい生活リズムを保つといった基本も有効です。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。