睡眠の俗説検証
「8時間睡眠は必要」は、日本人全員には当てはまらない
8時間睡眠は世界共通の目標のように語られますが、根拠は意外に薄いものです。日本人は世界でもっとも睡眠時間が短い集団のひとつ。必要な睡眠時間に個人差があることを、賛否両論の研究から検証します。
日本の女性の睡眠時間は、OECD33カ国で最も短いことが分かっています。働く女性の約4割が睡眠6時間未満。仕事のあとに家事と育児が重くのしかかる「二重負担」が、眠りを削っています。論文と公的統計から解説します。
日本の働く女性は、世界でいちばん眠れていません。日本の女性の睡眠時間は、OECD33カ国の中で最も短いと報告されています[1]。働く世代の女性では、約4割が睡眠6時間未満です[2]。
しかもこれは「女性は睡眠が少なくて平気」だからではありません。背景には、日本特有の事情があります。
国際比較で見ると、日本の女性の睡眠の短さは際立っています。OECDの生活時間調査では、日本の女性は加盟国の中で最短クラスでした[1]。
世界の多くの国では、女性の睡眠は男性と同じか少し長めです。日本はその逆という、特異な国なのです。
理由は「二重負担」です。仕事を終えて帰宅したあと、家事と育児が女性に集中します。
つまり日本の女性の睡眠不足は、個人の生活習慣ではなく、社会の構造から生まれています。
各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。
結果日本の女性の睡眠時間はOECD調査国の中で最短。日本は男性の無償労働(家事・育児)時間が加盟国で最短で、男女差が大きい。
反証各国で調査方法・対象年齢が異なり単純比較には限界がある。自己申告のため実睡眠とのズレも残る。
結果日本人女性の約40%が1日の睡眠時間6時間未満。とくに働く世代(30〜50代)の女性で睡眠不足が目立った。
反証自己申告に基づく横断調査で、睡眠の質までは測っていない。年により数値は変動する。
日本の女性の睡眠時間はどれくらい短いのですか?
OECD33カ国の中で最も短いと報告されています。国の調査では、働く世代の女性の約4割が睡眠6時間未満でした。一般に女性のほうが男性より睡眠が必要とされる中で、逆に短くなっています。
なぜ日本の女性はそんなに眠れないのですか?
仕事のあとに家事・育児が集中する「二重負担」が大きな理由です。日本は男性の家事・育児時間がOECDで最短で、女性に負担が偏っています。その分、女性の睡眠が削られています。
忙しくて睡眠を増やせません。どうすればいいですか?
まず家事の分担と「やらないことを決める」ことが睡眠時間の確保につながります。そのうえで、就寝1時間前のスマホをやめる、起床時刻を一定にするなど、短い睡眠の質を上げる工夫が有効です。