眠りの習慣
寝る前のスマホで、眠気をつくるホルモンが半分に減っていた
就寝前に光る画面を見ると、眠気をつくるホルモン「メラトニン」が最大55%減り、体内時計が1.5時間以上遅れることが実験で示されています。日本人の中高生9万5千人の調査でも、消灯後のスマホは不眠と結びついていました。反証も解説します。
朝に強い光を浴びると体内時計が前に進み、夜の寝つきが良くなります。逆に朝の光が不足すると時計は後ろへずれ、夜型化します。日本・九州大学の実験と、光が体内時計を動かす研究から、朝の光が眠りを整える仕組みを解説します。
朝に強い光を浴びると体内時計が前に進み、夜の寝つきが良くなります。逆に朝の光が不足すると、体内時計は毎日少しずつ後ろへずれ、夜型化します[1]。日本人を薄暗い環境で過ごさせた実験でも、体内時計が実際に後ろにずれました[2]。
「夜眠れない」の原因は、夜ではなく朝にあることが少なくありません。
体内時計とは、約24時間周期で眠気・体温・ホルモンを上下させる、体に備わったリズムのことです。脳の視交叉上核という部分が司令塔になっています。
この時計は、実際にはきっちり24時間ではなく、放っておくと少しずつ後ろにずれます。それを毎日リセットしているのが、朝の光です。
光が体内時計を動かすことを精密に示したのが、Khalsaらの研究です。健康な成人に時間帯を変えて強い光を浴びせ、時計がどう動くかを測りました[1]。
朝の光は時計を前に進め、夜のメラトニン分泌を早めます。だから夜、自然に眠くなるのです。
では、朝に光を浴びないとどうなるのか。これを日本人で確かめたのが、九州大学のOhashi・Higuchiらの実験です[2]。
在宅勤務や室内中心の生活で夜型になりやすいのは、朝の光を浴びていないからです。
断定の前に、反証も見ておきます。
光のタイミングが体内時計を動かすという結論は、多くの研究で繰り返し確認されています。
各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。
結果光が体内時計を動かす方向は、浴びる時間帯で決まる。朝に強い光を浴びると時計は前に進み(早寝早起き方向)、夜に浴びると後ろにずれる(夜型方向)。
反証実験室で人工的な強い光を用いた条件であり、日常の窓辺の明るさや短時間の曝露での効果量は別途検討が必要。
doi:10.1113/jphysiol.2003.040477 ↗結果日本人を薄暗い環境で1日過ごさせると、体内時計の指標(メラトニン分泌開始)が後ろにずれた。翌朝に強い光を浴びると時計は前に戻り、ずれが大きかった人ほど戻り幅も大きかった。
反証27人と小規模で、人工的な照度条件下の実験。屋外の自然光や個人の生活でどこまで再現するかは検証が必要。
doi:10.3390/clockssleep5040041 ↗朝に光を浴びるとなぜ眠りが整うのですか?
朝の強い光は体内時計を前に進め、夜のメラトニン分泌を早めるためです。結果として夜の寝つきが良くなり、朝も起きやすくなります。光を浴びる時間帯が、時計の進む方向を決めます。
朝の光が足りないとどうなりますか?
体内時計が毎日少しずつ後ろにずれ、夜型化します。日本人を薄暗い環境で過ごさせた実験では、体内時計の指標が実際に後ろにずれました。夜眠れず朝起きられない悪循環につながります。
何分くらい朝の光を浴びればいいですか?
起床後できるだけ早く、屋外の光を15〜30分浴びるのが目安です。屋外は曇りでも室内よりはるかに明るく、体内時計を動かすのに十分な光量があります。