目覚まし時計とスヌーズボタン、まどろむ朝のイラスト
MYTH OR FACT

二度寝は体に悪い、は思い込みだった

30分以内の二度寝(スヌーズ)は睡眠をほとんど削らず、むしろ起床直後の頭の働きを保つことが実験で示されました。二度寝は意志の弱さではありません。ただし効くのは限られた条件です。最新研究と日本の若者のデータから、二度寝との付き合い方を解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

「二度寝は体に悪い」とよく言われます。しかし最新の実験では、再入眠が得意な人にとって30分以内の二度寝(スヌーズ)は睡眠をほとんど削らず、むしろ起床直後の頭の働きを保つことが示されました[1]。二度寝は、意志の弱さではありません。

ただし、これは「誰でも二度寝すべき」という意味ではありません。条件を見ていきます。

二度寝は本当に体に悪いのか

二度寝が悪者にされてきたのは、「眠りが細切れになって質が落ちる」という説明からです。ところが、それを実際に測った研究は多くありませんでした。

そこでSundelinらは、習慣的に二度寝する人を睡眠実験室で調べました[1]

つまり30分のスヌーズは、深い眠りから無理に引き剥がされるのを避ける「緩衝材」として働いていたのです。

なぜ30分の二度寝はむしろ良いのか

目覚ましが深い眠りの最中に鳴ると、頭がぼんやりする「睡眠慣性」が起きます。この状態で無理に起きると、しばらく頭が働きません。

30分のスヌーズは、深い眠りから自然に浅い眠りへ移る時間を稼ぎます。結果として、起き抜けのだるさが和らぐことがあるのです。

二度寝をする人は日本に多いのか

二度寝は、夜型の人や若い人に多いことがわかっています。そして日本の若者は、世界でも指折りの夜型・睡眠リズムのズレを抱えています。

二度寝がやめられないのは性格の問題ではなく、生活リズムのサインです。

二度寝が効かない場合

ただし、二度寝が万能というわけではありません。反証も見ておきます。

二度寝で30分粘っても眠れないなら、それはあなたに二度寝が向いていないサインです。

二度寝とうまく付き合う方法

この記事のまとめ

  • 30分以内の二度寝は睡眠をほとんど削らず、起床直後の頭の働きをむしろ保った
  • 深い眠りの途中で起こされる『睡眠慣性』を和らげる緩衝材として働く
  • 効果があるのは再入眠が得意な人に限られ、誰にでも当てはまるわけではない
  • 二度寝が多い背景には夜型化と睡眠リズムのズレがある(日本の中学生の51%)
  • 二度寝は30分で区切り、根本は生活リズムの調整と睡眠時間の確保

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Sundelin T, et al. (2024). Is snoozing losing? Why intermittent morning alarms are used and how they affect sleep, cognition, cortisol, and mood. Journal of Sleep Research.欧米対象 質問紙調査(1,732人)+睡眠実験室での検証(習慣的に二度寝する31人)

    結果30分の二度寝(スヌーズ)は起床直後の認知テストの成績を下げず、むしろ改善した。失われた睡眠は約6分にとどまり、深い眠り(N3)の途中で起こされるのを防いだ。

    反証対象は「二度寝が習慣で、再入眠が得意な人」に限られる。誰にでも当てはまるわけではなく、ストレスホルモンや気分には明確な効果はなかった。

    doi:10.1111/jsr.14054
  2. [2]Tamura N, Komada Y, Inoue Y, Tanaka H (2022). Social jetlag among Japanese adolescents: Association with irritable mood, daytime sleepiness, fatigue, and poor academic performance. Chronobiology International.日本人対象 横断研究 / 日本の中学生

    結果日本の中学生の51.1%が1時間以上の社会的時差ぼけ(平日と休日の睡眠リズムのズレ)を抱え、それは日中の眠気・イライラ・学業成績の低下と関連していた。

    反証横断研究で因果は示せない。社会的時差ぼけと二度寝は別の現象で、二度寝そのものの害を示したわけではない。

    doi:10.1080/07420528.2021.1996388

よくある質問

二度寝は体に悪いのですか?

一概に悪いとは言えません。再入眠が得意な人では、30分以内の二度寝は睡眠をほとんど削らず、起床直後の頭の働きを保つことが実験で示されました。ただし誰にでも当てはまるわけではありません。

なぜ二度寝をすると頭がすっきりすることがあるのですか?

目覚ましが深い眠りの途中で鳴ると、頭がぼんやりする睡眠慣性が起きます。30分のスヌーズは、深い眠りから自然に浅い眠りへ移る時間を稼ぎ、起き抜けのだるさを和らげる場合があります。

二度寝がやめられないのは意志が弱いからですか?

違います。二度寝は夜型の人や若い人に多く、睡眠リズムの問題です。日本の中学生の半数は平日と休日の睡眠のズレを抱えています。生活リズムの調整が根本の対策になります。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。