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昼寝は10分がいちばん効く。30分眠るとかえってだるくなる

昼寝は10分がもっとも効率よく頭を冴えさせ、30分眠ると目覚めにだるさ(睡眠慣性)が出ます。一方で日本人の研究では、30〜60分の昼寝が認知症リスクを下げ、1時間超はむしろ上げる可能性が示されています。反証も含めて解説します。

ILLUSTRATION / SUIMIN LAB

昼寝は長く眠るほど良い、わけではありません。頭をすぐ冴えさせるなら10分がもっとも効率的で、30分眠ると目覚めにかえってだるさが出ます[1]。一方で日本人の研究では、30〜60分の昼寝が認知症リスクを下げ、1時間を超えると逆に上げる可能性が示されています[2]

「短い昼寝」と「長い昼寝」は、まったく別物です。目的によって最適な長さが変わります。

昼寝は何分がいちばん効くのか

オーストラリアの実験で、5・10・20・30分の昼寝を比べた研究があります。結果はやや意外なものでした[1]

短い昼寝が効くのは、深い睡眠に入る前に目覚めるからです。30分眠ると深い睡眠に入り、そこで起こされると脳が「寝ぼけた」状態になります。これが目覚めのだるさの正体です。

日本人の研究は何を示したか

昼寝と健康の関係を長期で見た有名な研究が、日本にあります。山梨で行われたAsadaらの研究は、昼寝習慣とアルツハイマー病の関係を調べました[2]

短時間の昼寝(パワーナップ)が脳に良い可能性を示す一方、長すぎる昼寝には注意が必要だと分かります。

この結論はどこまで信じてよいか

ここでも立ち止まりが必要です。これらの研究には明確な限界があります。

それでも実用的な結論は一貫しています。昼寝は短く、です。

上手な昼寝のとり方

昼寝をしても日中の眠気が抜けない、毎日昼寝なしではいられない場合は、昼寝の問題ではなく日中の強い眠気=夜の睡眠が壊れているサインかもしれません。

この記事のまとめ

  • 頭をすぐ冴えさせるなら昼寝は10分がもっとも効率的
  • 30分眠ると深い睡眠に入り、目覚めにだるさ(睡眠慣性)が出る
  • 日本人研究では30〜60分の昼寝が認知症リスク低下と関連した
  • ただし1時間超の昼寝はリスク上昇と関連し、長すぎる昼寝は避ける
  • 昼寝は正午〜15時に10〜20分。15時以降は夜の眠りを妨げる

参考文献と反証

各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。

  1. [1]Brooks A, Lack L (2006). A brief afternoon nap following nocturnal sleep restriction: which nap duration is most recuperative?. Sleep.欧米対象 実験室研究 / 5・10・20・30分の昼寝を比較

    結果10分の昼寝が眠気・疲労・認知成績をすぐに改善し効果が最長155分続いた。30分の昼寝は目覚め直後にだるさ(睡眠慣性)が出てから改善した。

    反証少人数の実験室研究で、前夜に睡眠制限をかけた条件。日常のさまざまな状況にそのまま当てはまるとは限らない。

    doi:10.1093/sleep/29.6.831
  2. [2]Asada T, Motonaga T, Yamagata Z, Uno M, Takahashi K (2000). Associations between retrospectively recalled napping behavior and later development of Alzheimer's disease: association with APOE genotypes. Sleep.日本人対象 日本人対象 / 後ろ向き調査・遺伝子型別解析(Sleep 2000;23:629-634)

    結果日本人で、30〜60分の昼寝習慣はアルツハイマー病リスクの低下と関連し、1時間を超える昼寝はリスク上昇と関連した(特定の遺伝子型で顕著)。

    反証昼寝習慣を後から思い出して回答する後ろ向き調査で、記憶の偏りがある。長い昼寝は病気の前兆(結果)である可能性も否定できない。

    原典を読む

よくある質問

昼寝は何分がベストですか?

頭をすぐ冴えさせたいなら10分です。実験では10分の昼寝が眠気や認知成績をすぐ改善し、効果が最長155分続きました。30分眠ると目覚め直後にだるさ(睡眠慣性)が出ます。

30分以上の昼寝はダメなのですか?

目覚めにだるさが出やすく、夜の睡眠を妨げることもあります。ただし日本人の研究では30〜60分の昼寝が認知症リスク低下と関連した一方、1時間超はリスク上昇と関連しました。長すぎる昼寝は避けるのが無難です。

夕方に眠くなったら昼寝してもいいですか?

15時以降の昼寝は夜の寝つきを妨げやすいので避けましょう。昼寝は正午〜15時の間に、短く(10〜20分)とるのが理想です。

昼寝でだるくなってしまったらどうすればいいですか?

だるさ(睡眠慣性)は深い睡眠から無理に起きたときに出ます。起きたら明るい光を浴び、顔を洗い、軽く体を動かすと早く抜けます。次回からは長さを10〜20分に短くするのが根本対策です。毎日強い眠気が続くなら、昼寝より夜の睡眠が崩れているサインの可能性があります。

この記事について

文:眠りの科学 編集部

本記事は上記2本の文献に基づきます。新しい研究や反証が出た場合は更新日を改めて反映します。 内容は一般的な情報提供であり、症状がある場合は医療機関にご相談ください。