睡眠の不調
やせているのに、いびきと無呼吸が起きる。日本人は脂肪より骨格が原因だった
睡眠時無呼吸は太った人の病気と思われがちですが、東アジア人は欧米人より痩せていても発症します。同じ重症度なら欧米人は肥満、日本人を含む東アジア人は顔の骨格が狭いことが原因でした。論文と反証から解説します。
いびきや無呼吸の疑いは耳鼻咽喉科・呼吸器内科、寝つけない不眠は精神科・心療内科、脚のむずむずは脳神経内科が窓口です。日本人成人の約14%が日常生活に支障のある不眠を抱えます。症状別に何科を受診すべきか、睡眠外来の選び方とあわせて解説します。
睡眠の不調で受診するなら、症状によって行くべき科が変わります。いびきや無呼吸の疑いは耳鼻咽喉科・呼吸器内科、寝つけない・途中で目が覚める不眠は精神科・心療内科、脚のむずむずは脳神経内科が主な窓口です。原因が分からない・精密検査が必要そうなときは睡眠外来が適しています。
日本人成人の不眠は珍しくありません。日中の機能障害を伴う不眠は男性3.2%・女性4.2%、過去1か月の不眠の訴えに広げると約5人に1人にのぼります[1][2]。我慢せず、適切な科に相談することが解決の近道です。
睡眠の病気を専門的に診るのが「睡眠外来」です。ただし睡眠外来はどこにでもあるわけではなく、まずは症状に合った科を受診するのが現実的です。受診先は、いちばん困っている症状から決めるのが分かりやすい方法です。
| 主な症状 | 受診先の目安 |
|---|---|
| 大きないびき・睡眠中に呼吸が止まると言われた・日中の強い眠気 | 耳鼻咽喉科 または 呼吸器内科(循環器内科・睡眠外来も可) |
| 子どものいびき・口呼吸・無呼吸 | 耳鼻咽喉科(小児科でも初期相談可) |
| 寝つけない・途中で目が覚める・早朝に目が覚める | 精神科・心療内科(かかりつけ内科でも初期相談可) |
| 脚がむずむずして眠れない | 脳神経内科(睡眠外来・精神科でも可) |
| 原因が複数・分からない/精密検査が必要そう | 睡眠外来(日本睡眠学会の専門医療機関) |
以下、それぞれを詳しく見ていきます。
大きないびきや、睡眠中に呼吸が止まると指摘された場合は、睡眠時無呼吸の可能性があります。気道の構造を専門的に診る耳鼻咽喉科、または呼吸器内科が窓口です。
睡眠時無呼吸は、日中の強い眠気を通じて居眠り運転や事故のリスクを高めます。国土交通省も自動車運送事業者向けに対策マニュアルを出しており、公的にも警告されている問題です。家族から無呼吸を指摘されたら、早めに相談してください。
寝つけない、途中で目が覚める、早朝に目が覚めるといった不眠は、精神科・心療内科が専門です。かかりつけの内科でも初期の相談はできます。
慢性的な不眠には、薬だけでなく認知行動療法(CBT-I)という有効な治療法があります。市販の睡眠改善薬で様子を見るのは一時的な不眠までにとどめ、長引く場合は受診を検討してください。
夜になると脚がむずむずして眠れない場合は、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の可能性があり、脳神経内科が専門です。睡眠外来や精神科でも対応できます。鉄不足が関係することもあるため、原因の見極めが大切です。
複数の症状があったり、原因が分からなかったりする場合は、睡眠外来が適しています。睡眠外来では、問診や睡眠日誌に加え、必要に応じて睡眠中の呼吸・脳波を測る終夜睡眠ポリグラフ検査などを行い、原因を特定します。
日本睡眠学会は、専門医や専門医療機関の一覧を公開しています。近くの専門医療機関を探す際の一次情報として役立ちます。
次のような場合は、早めに相談することをおすすめします(これは受診の目安であり、診断ではありません)。
最終的な診断と治療方針は医師が決めます。本記事は受診先選びの目安であり、診断・治療に代わるものではありません。迷う場合は、かかりつけ医または睡眠外来に相談してください。
各論文の「主な結果」とあわせて、相反する結果や限界(反証)も併記しています。 集団タグは研究対象(日本人/欧米など)を示します。
結果日本人成人の不眠有病率は男性12.2%・女性14.6%。日中の機能障害を伴う不眠は男性3.2%・女性4.2%だった。
反証自己申告の面接調査で、客観的な睡眠検査に基づく診断ではない。推定値は調査年や不眠の定義によって変動する。
doi:10.1016/j.sleep.2016.05.013 ↗結果過去1か月の不眠有病率は21.4%(入眠困難8.3%・中途覚醒15.0%・早朝覚醒8.0%)と、約5人に1人が不眠を訴えた。
反証2000年と古く、定義が緩いため有病率がやや高く出ている可能性がある。日中障害の有無は問うていない。
doi:10.1093/sleep/23.1.1a ↗結果日本では30〜69歳のうち中等症〜重症(AHI≥15)の睡眠時無呼吸が約943万人(14.0%)と推計された。多くが未診断・未治療とみられる。
反証実測ではなく文献に基づくモデル推計で、診断確定者数とは異なる。潜在的な該当者数の目安である。
doi:10.1016/S2213-2600(19)30198-5 ↗睡眠の不調は何科に行けばいいですか?
症状によって変わります。いびき・無呼吸の疑いは耳鼻咽喉科か呼吸器内科、寝つけない・途中で目が覚める不眠は精神科か心療内科、脚のむずむずは脳神経内科が窓口です。原因が分からない・精密検査が必要そうなときは睡眠外来が適しています。
睡眠外来とは何をするところですか?
睡眠外来は、睡眠の病気を専門的に診る外来です。問診や睡眠日誌に加え、必要に応じて睡眠中の呼吸や脳波を測る検査(終夜睡眠ポリグラフ検査など)を行い、原因を特定します。日本睡眠学会が専門医療機関の一覧を公開しています。
何科か分からないときはどうすればいいですか?
まずはかかりつけの内科、または睡眠外来に相談してください。必要に応じて適切な科へ紹介してもらえます。日中の強い眠気で運転や仕事に支障が出ている場合は、早めの相談をおすすめします。
市販の睡眠改善薬で様子を見てもいいですか?
一時的な寝つきの悪さには使えますが、不眠が週の半分以上・1か月以上続く場合は受診を検討してください。背景に睡眠時無呼吸など別の病気が隠れていることがあり、市販薬では解決しません。